大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(あ)5243 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人Aの負担とする。

理 由

被告人Aの弁護人朝比純一の上告趣意について。

被告人の本籍が京都市a区bc町de町f番地であり、その住居が同市g区bh

i町j番地であることは記録上明らかである。(起訴状被告人の司法警察員及び検

察事務官に対する各供述調書、第一審第一回公判期日召喚状の送達報告書、司法警

察員作成の差押調書等参照)所論第一審第一回公判調書の人定尋問における本籍及

び住居の記載は過つて両者を取り違えて記載されたものたることが窺い得るのであ

り、被告人の特定は右本籍及び住居の外その年令、職業等によつて正確になされて

いるものと認められる。その然らざることを前提とする違憲の所論はその前提を欠

くものであり刑訴四〇五条の上告理由に該当しない。

被告人Bの弁護人野村英夫の上告趣意について。

原審の是認した第一審判決は検事及び検察事務官に対する各供述調書の供述記載

を証拠として引用しているだけで警察職員に対する供述は事案認定の資料とされて

はいない。仮りに被告人が検察庁に身柄を送致されるに際し、警察署で所論のよう

な事を言い聞かされたとしてもこの一事だけで検察庁における被告人の供述が畏迫

強制によるものであると断ずることを得ないばかりでなく、所論検事及び検察事務

官に対する右供述が強制によるものであること、若しくは少くとも任意になされた

ものでないことを疑わしめるような証跡は記録上存在しないのであるから、所論は

違憲をいうけれどもその前提を欠き刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録

を精査しても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により主文のとおり決定する。

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この決定は、裁判官全員一致の意見である。

昭和二八年四月二三日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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